案件見込み管理で難しいこと

広告代理店様向け販売管理システムのアップクロス 営業担当 飯尾です。

さてSFAに続き 案件の見込み管理についてすこし書いてみようと思います。 どんな会社でも案件の見込み管理については、頭を悩まされているのではないでしょうか?

一般的には、営業の皆様が提案中の案件を会社で決めた受注確度に照らし合わせて 将来予測を立てたいとおもっていらっしゃるかと思います。 よくあるのは、 受注確度を  ・受注確定(会社によっては「1」とかに設定) ・Aランク案件 ・Bランク案件 ・Cランク案件 等で管理して 将来予測を立てることが多いと思います。 弊社でも同じ手法をとっています。

私も広告代理店様や広告にまつわるお仕事をされている企業様によくお伺いしますが、 経営者の皆様や経営管理にかかわる部署の方からよく悩みを打ち明けられるのが この案件見込み管理についてです。 多い悩みとして ・営業が報告する見込みがあてにならない ・営業が見込みを報告してくれない。(受注ぎりぎりまで隠す)

この2点です。 案件見込み管理が「成功している」という企業様に遭遇するのは稀です。

では、なぜ案件の見込み管理がうまくいかないのでしょうか? 経営者の方々や経営企画の方々は「営業が・・・」というところに問題意識を感じてらして 営業になんとかさせたいという思いがあります。 ただ、ここに大きな過ちがあるのではないかと思います。

私が思うに、広告代理店もしくは広告に関わる企業で案件見込み管理がうまくいっていない理由は 営業のせいではなく、いくつか理由があると思います。

(1)そもそも「受注」の定義がしっかりしていない。 広告業の場合「受注」という定義がしっかりしていない企業様がとても多いです。 たとえば弊社のようなIT企業の場合、お客様から「注文書」をいただいた時点が「受注確定」です。 広告業様の場合、そもそも注文書を取り交わしていない企業様も多いので、「受注」という基準が 明確になりません。 「どの時点で受注とみなすのか?」ということを明確に説明できていないので、 案件管理の目標到達点である「受注」があやふやになっています。 注文書を必ず取り交わすもしくは申込書、メールでの依頼等で書面でなにかしら取り交わしていないと 「受注」がはっきりわかりません。 (2)同じように「受注確度」の定義も明確になっていない。 「受注」と同じように「Aランク」「Bランク」「Cランク」の定義がしっかりしているでしょうか? お話を伺っていると多いのが、「Aランクは90%の案件、Bは50%、Cは30%で・・・」と話す方が 多いのが気になります。 では、90%と30%の違いはなんでしょう? 営業が2人いて、ベテラン営業マンと新人営業マンがいる場合に、まったく同じ案件を担当していても ベテラン営業マンが「Cランク」にしていても、新人営業マンは「Aランク」にしているかもしれません。 %で受注確度を見るのは間違いです。属人的になりすぎて明確な基準がありません。 見込み値として数字を見る時に Aランク×90%、Bランク×50%・・・等で将来予測の数字をみるには %は必要ですが、受注確度の定義に%を取り入れると人によって確度が異なってきます。 確度の基準を明確にすると受注確度がわかりやすくなります。 たとえば ・受注確定・・・注文書やメールで書面でクライアントから依頼が来た場合。 ・Aランク・・・・書面は取り交わしていないが、お客様から口頭で案件のスタートを提示された場合 ・Bランク・・・最終プレゼンで2社競合になっていて、決裁権限のある方と話をしている。 ・Cランク・・・見積もり提出済み、決裁権限はないが、担当者と話をしている。 といったような基準です。 各企業や取引先とのかかわりで基準が変わってきますが、ポイントはだれがみてもその確度が適切か 判断できるかどうかということです。

(3)何度も同じ報告をさせられる。 この問題が起きている企業様は結構多いです。 たとえば日報で報告をして、週次のミーティングで週の案件報告をして、四半期で報告をして 決算前に報告をして・・・ さらにこの書式が全部バラバラだったりします。 そうすると、何回報告をするのか?ということで、営業の方も嫌気がさして正確性に欠けます。 報告の手段を統一化して、同じ書式を使うことができていないと案件見込み管理の精度があがりません。

(4)見込み管理の目的が営業に正確に伝わっていない。 これもよくある問題です。(3)とも関連します。 そもそも経営者の方が、見込み管理をする目的を伝えていないと 目的がわからないので営業としては報告がおそろかになります。 将来企業の中核を担う社員を育成する上でも周知徹底が必要です。 見込み管理を見るのは、会社としての売上と利益の着地点を早期に予測するためです。 また着地点を予測することで、キャッシュフローの流れもつかみます。 支払が多い月には自社でもっている資金で足りるのかを判断し 足りない場合は銀行への借入が必要となります。 銀行にお金を借りるということは、金利が付きますので、営業が稼いできた利益を銀行に払っているような ものです。 入りと出を抑える。入金予測と出金予測を立てるのも、案件見込みで大事な目的です。 その目的を説明できていないと、営業が報告する案件見込みの精度が高まりません。 また報告しているのに、(3)のように何度も同じ報告をさせたり、報告した内容を上司や経営者が忘れていると 営業は正確な報告をしなくなります。

(5)そもそも経営者や上司が見込み管理の目的を間違っている。 実はこれが一番問題だったりします。 そもそも「案件見込み管理」はあくまで「見込み管理」です。 営業活動の中で、どれくらいの案件が今あって、どのような状況なのか?を共有するために 見込み管理を行います。 目的が間違っている場合 「ランクが落ちた」「失注した」ものについて、各営業に問い詰める経営者や管理職の方がいます。 これが大きな間違いです。 見込み案件は受注確度が落ちることも失注することもあるのです。 そもそもの目的を間違っていると、営業を問い詰めるために受注確度の変化や失注にだけ目を向ける 見込み管理を行ってます。 これでは営業が正確な報告をするわけがありません。 目的が間違っている見込み管理をしている企業で多く見受けられるのは、 怒られるのが嫌なので、営業はBランクやCランクの案件はあまり報告せず、Aランクや受注確定になって 初めて報告するといったパターンです。 「Dランク」からいきなり「受注確定」になるような報告です。 ランクが上がることは歓迎するが、ランクが落ちることを問い詰めるような管理職の方がいると 案件見込み管理はうまくいきません。

このようにいくつかの理由がありますが 私が思うに、「案件見込み管理」を営業の責任でうまくいかないのではなく そもそも案件見込み管理がうまくいかないようにしている組織や管理者に問題があることのほうが 多いように思えます。

他にも理由はあると思いますが、 まずは自社の「見込み管理」のあり方を見直してみることも成功の近道ではないでしょうか?